ブハラのスザニ
ブハラは19世紀には「中央アジアのパリ」といえるほどの芸術の中心地でした。ここで生まれたスタイルは周辺の街へも強い影響を与えていました。
ブハラのスザニに使われるシルクは上質でつやがあり、染色技術の発展により複雑な色を多く使っています。チェーンステッチがよく使われ、発達しているのも他の地域と異なる点です。チェーンステッチで大きなモチーフを作る時は、モチーフをいくつかの区画に分けて刺繍します。微妙に違う色合いの糸を使うことで、複雑な陰影や影などを作り出すことができ、ブハラのスザニに深みを作り上げています。
代表的なスタイル例と見分け方
枠の幅が太い
2色の赤色(オレンジ計とピンク系)の花びらで構成される大きな花のメダリオン
つるで繋がっている
全体として
・コーチングステッチ(Basma)が多い
・よって針で縫うことが多い
他のタイプとしては下記が紹介されています
①木のタイプ:長くねじれた茎の枝に、ロゼッタやザクロなど異なるモチーフがあしらわれているデザイン。
②ブッシュ/ラティスタイプ:中心パネルに直線や波線で構成される菱形の中に、花束が並べられたもの。葉が斜めの直線状に並んで菱形を構成することもあります。菱形のサイズは様々で、ブハラでは非常に普及したデザインです。小さな菱形の中に花束が並べられたデザインは、ペルシャ絨毯で「花園」と呼ばれるタイプに似ており、このデザインはイランやメルヴなど北アフガニスタンからの移住者がもたらした可能性があるそうです。
③対称タイプ:パネル全体にわたって、大き目のロゼッタやそれ以外のモチーフが対称に配置されたデザインは、中央アジアのオリジナルと考えられています。
1986年 ブハラ(ウズベキスタン美術館)
布地:木綿、刺繍糸:シルク、刺繍:ユルマ
写真撮影:BY Makoto (2015年)
★対称タイプ
19世紀後半 ブハラ(広島県立美術館)
布地:木綿とシルク、刺繍糸:シルク、
写真撮影:BY Makoto (2014年)
★ラティスタイプ
ブハラスザニのレプリカ
(ブハラのシィトライ・マヒ・ホサ宮殿内の土産店)
写真撮影:BY Makoto (2015年)
★ラージメダリオンタイプ
コレクターの間で人気がある有名なスタイルです。
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