ヌラタのスザニ
ヌラタはブハラの北の地方で、昔からカザフスタンとブハラとの交易の中継地点として栄えました。この地方の繊細で優しい風合いのスザニは、日本人に人気があります。
ヌラタはブハラの北220km、ヌラタ山脈の西の端の麓にある地方で、10世紀ごろまでは、神聖な土地と考えられた巡礼の町でした。ペルシャからのキャラパンがタシケントへ行く際に、税金のかかるサマルカンドやジザフを迂回するルートにありました。
タジク系のこの地域は、それ以前に発展したペルシャのサファヴィー朝、17世紀のムガル帝国の木のデザインに影響された独自のスタイルが有名です。巡礼の季節は春だったので、花のモチーフが好まれ、柔らかく明るい色が多く、細かい花模様が上品で、高く評価されています。
代表的なデザイン
1)メダリオンタイプ
大きくて緻密な八角形のメダリオンが中央に配置、幅広の枠はロゼッタで密度が高く埋められている。通常中央部分よりも周辺の方がより装飾的
写真:ヌラタのスザニ 1867年 (ウズベキスタン美術館)
布地:木綿、刺繍糸;シルク、ステッチ:ボスマとユルマ
写真 BY MAKOTO (2015年)
★いわゆる典型的な古いヌラタスザニです。水差しやクジャクなどのモチーフも、この地方徳重のものです。
ヌラタのスザニ 1827-1835年 (ウズベキスタン美術館)
布地:木綿、刺繍糸;シルク、ステッチ:ユルマ
★(3)の格子タイプに近いでしょうか
ヌラタのスザニ 19世紀前半 (広島県立美術館)
布地:木綿、刺繍糸;シルク、ステッチ:ユルマ
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