ヒヴァ
ヒヴァはウズベキスタンの西の方にある町です(ざっくり)。他のメジャーな観光都市であるサマルカンドやブハラよりも若干離れているので、日程的に観光客のルートから外れることも多いですが、実は手頃なサイズで歩くのが楽しいお薦めの世界遺産都市です。
ヒヴァへの移動
タシケントからの移動は、ヒヴァではなく近隣のウルゲンチが拠点になります。飛行機なら1時間40分、夜行列車なら20時間弱。ウルゲンチからはタクシーで40分ほどでヒヴァの中心地イチャン・カラに着きます。
ヒヴァの見どころは、塀に囲まれたイチャン・カラの街並み全体ですね。ここだけ回りから切り離されてタイムスリップしたかのように感じます。メドレセや宮殿も一通りあって、観光客も多すぎず、少なすぎず、お土産屋さんものんびり見られます。物価はサマルカンドやブハラと比べると少し安いでしょうか。
ヒヴァの歴史とスザニの特徴
ヒヴァは古代からアムダリア川の肥沃なデルタを利用して5千年前から農業で栄えたホレズム地帯の一部です。ヒヴァは8世紀ごろには存在していたことがわかっていますが、ずっとシルクロードの小さな中継都市にすぎませんでした。13世紀にチンギスハーンの征服、14世紀にティムールがサマルカンドを拠点に一体を支配したのち、16世紀初めにヒヴァ・ハン国として独立。その後19世紀後半にロシアに征服されるまで、独立国家として繁栄します。
ヒヴァの街でも多くのお土産用スザニが販売されています。2015年時点では、路面のお土産屋さんでは、サマルカンド系・タシケント系・南方系のスザニが多く売られています。恐らく量産されて一般に多く流通しているものが、ここでも販売されているのでしょう。しかし、家庭で内職して作ったスザニが町で売られているようなお店では、ブハラ系・ヌラタ系など、どちらかというとペルシャの影響が強い西のスザニが多く見られたように思います。
ヒヴァの注目スザニスポット
① UNESCOのスザニセンター
ここはユネスコやブリティッシュカウンシルなどの支援を受けて運営しているスザニセンターです。スザニや絨毯の制作工程を見学できます。
ここで販売されているスザニは、他のお店とは一味ちがいます。伝統的な柄ではないのですが、ヒヴァのオリジナルデザインで、モスクのタイルの柄のような幾何学模様のモダンなデザインです。恐らく最近のデザイナーが書き下ろしたものでしょう。
制作工程をよく見ると、きちんと統一された下絵を使い、すべての模様を同じ針のステッチ(恐らくDuruya)で制作しています。色もきちんと指定されているので、同じデザインのペアや、色違いデザインのペアがそろっており、外国人テイストを反映した製品ラインナップに仕上がっています。個人の技法や好みによる完成品の仕上がりのばらつきを抑えるようなデザイン・制作工程が設計されており、さすが外国資本のサポートが入っているお店の感じです。フェアトレードなのか、交渉しても、複数まとめ買いしても、価格はあまりさがりません。しかし、このデザインは確かにここでしか見かけなかったので、気に入った方は購入されると良いと思います。
② 町のショップ
ブハラの中では最も品ぞろえが多く、比較的上質なスザニも取り扱っているお店です。場所は西門近くのキョフナ・アルクの向かい側、もしくは、ヒヴァ観光センターの隣です。お店の外に大きいサイズのスザニが展示してあるので、通りかかればわかると思います。
ここの店員さんは、「うちの店のスザニはとても上質で、天然素材で、他の店とは違います」と、品質をアピールしてきます。確かに、デザインや色も豊富で、全体として良いものがそろっていると感じました。ブハラ系・ヌラタ系が多くありましたが、タシケント系も置いてあったと記憶しています。
気を付けたいのは、店内が暗いので、微妙な色や下地の色などは、製品を外に出してもらって確認した方が良いかもしれません。店員さんはいろんなスザニを出してくれるし、お願いすれば外に出て、太陽の光で製品を見ることができます。
価格はある程度交渉可能。複数購入の割引も多少ありましたが、それほど劇的に下げるのは難しかったです。
③ クバイ・ヒッザ・メドレセ前のお土産店(名称不明)
東京農工大学の川端先生ご用足しの、比較的スザニの品ぞろえの良いお店です。値段と品質は中程度。目の粗いものもありますが、良く探すと良品があります。元々良心的な値段ですが複数購入すると値下げしてくれますし、大量買いにお薦めです。
↓下店内の写真。お店の中でスザニを選ぶ観光客。右に移っているのが店長さん。奥の部屋にはブハラ系スザニが沢山あります。
↓お店の奥さん。手前の部屋にはタシケント系スザニや、スザニの派手なジャケットが沢山
JICAが支援するお店 Cocoon (スザニはないけれど)
スザニのお店ではありませんが、JICAが支援する東京農工大のプロジェクトで、ウズベキスタンの特産アドラスを使用したお土産品が売っています。クトゥルク ムロッド イノク メドレッセ(アート ミュージアム)の中庭にあります。あまり人の流れがないので、ちょっとわかりにくいですが、東門の近くのバザールの当たりから入口があります。
その他 町のバザール(露店)
あまり大したスザニはおいてないのですが、ミシンで作成したお土産用の手ごろな製品などがいっぱい並んでいます。
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